60歳からは「これ」しかやらない / 和田 秀樹(2023)

・和田秀樹さんは、高齢者専門の精神科医です。高齢者の生き方指南の専門家です。60歳からの理想的な生き方を教わりましょう。

60歳からは「これ」しかやらない / 和田 秀樹(2023

・人間関係

 現役ビジネスパーソンのストレス原因の第1位は、人間関係だと言われています。定年後は、そのストレスから解放されます。気の合う人とだけ付き合う自由を謳歌しましょう。近年は、定年後も働き続ける人が増えています。定年後の労働は、体や頭を使い続けることになり、老化防止に効果があるだけでなく、誰かの役に立つことを実感できるので幸福度も高まります。職場の人間関係もライトな関係になりますからストレスとは無縁となります。

 定年後は、現役時代、時間がなくてあきらめていた趣味に時間を使いましょう。スポーツ、楽器、絵画、映画など、なんでもOKです。そこで、気の合う方に出会えたら友達になりましょう。波長の合わない人と無理に付き合う必要はありません。同窓会やOB会も楽しくなければ不参加でOKです。ボランティアや趣味・習い事・町内会・管理組合の集まりは、上下関係が発生しやすいので注意が必要です。居心地が悪ければ距離を置きましょう。

 定年後は、夫婦間でも適度な距離感が必要です。自立した同居人のようなスタンスで、お互いに、自分の好きなことに取り組んで、自由な時間を楽しみましょう。一方、親の介護には注意が必要です。在宅介護は、必ず疲弊します。一人で抱え込まず、兄弟や配偶者と助け合い、介護保険の申請をしてヘルパーさんの力を借りましょう。最終的には、在宅介護から施設に移ってもらうのが良いでしょう。肉体的な介護は施設のプロに任せ、私たち施設で暮らす親に頻繁に会いに行き、笑顔を見せて、コミュニケーションを取る方が、自分も親も気持ち良く生きていけます。同じように、自分の介護を子供に期待してはいけません。公的介護サービスを利用しましょう。体がおぼつかなくなったら、施設も視野に入れましょう。

・健康づくり

 日本の健康診断では、血圧・血糖値・コレステロール値を重視します。これは、心疾患が死亡原因第1位のアメリカ医療を見習ってきたためです。今、日本人の死因のトップは、がんで、年間約40万人。急性心筋梗塞で亡くなる方は、年間約3万人ほどです。「コレストロール」は、細胞膜の原材料、幸せホルモンのセロトニンを脳に運ぶ役割も果たすので無理に下げる必要はありません。「高血糖」は糖尿病と診断され、腎機能障害や神経障害、失明の危険がある網膜症などの合併症を引き起こしますが、逆に低血糖は、死に至る危険性があります。「高血圧」が健康や寿命に与える影響は、現時点では明確なエビデンスはありません。逆に、過剰な減塩は、低ナトリウム血症を起こす危険があるので注意しましょう。

 「がん」は、細胞のミスコピーだと言われています。ミスコピー細胞を殺す免疫細胞(NK細胞)は、加齢ともに減少するため、85歳になると、ほぼすべての方ががん細胞を持っています。「NK細胞」を活性化するには、ストレスを溜めないこと、バランスの良い食事、よく笑うことが有効です。筋肉が衰えないように、運動や筋トレは大切です。積極的に歩くことで、筋肉量が多い下半身を鍛えることになり、将来起こりうる、ロコモティブシンドローム(歩けなくなる、寝たきりになる)を予防することになります。食事制限は、無理をせず、食べたいものを適量食べましょう。タバコやお酒もストレスにならない範囲なら結構です。老人性うつ病の予防には、セロトニンを増やす生活が望ましいです。毎日、一定時間日光を浴びること、タンパク質を摂取すること、が有効です。

 「認知症の予防」には、脳の前頭葉に刺激を与え続けることが有効です。前頭葉に刺激を与えるのは、新しい経験と体験です。新しい場所に行く、気の合う人と会話を楽しむ、コーラスやカラオケなど声を出すことも良いでしょう。認知症は、誰にでも訪れる老化現象、必要以上に恐れることはありません。

 人は、「死を意識する」と生き方が変わります。「生きている時間を無駄にしたくない」と考えるのです。いきたい場所があれば、行ってみましょう。やりたいことがあれば、やってみましょう。

・お金の使い方

 60歳以降、年齢とともに出費は少なくなるので、一定の貯金と年金があれば、過度に心配する必要はありません。介護でかかる費用の平均額は、一人当たり600万円、夫婦二人で1200万円です。医療費は、200万円、お墓代100万円を加えて、約1500万円残せば、残りは使い切って大丈夫でしょう。

 人生の最後を迎えた方に最も多い後悔は、「元気なうちに、楽しい思い出を作りたかった」です。元気なうちに、やりたいことをやっておきましょう。人生の最後で、必要な財産は、お金ではなく、素敵な思い出なのでしょう。

 60歳は、様々な責任を果たし終えた世代、これからは、自分の好きなように生きてみませんか。「やりたいことリスト」を作成して、一つひとつやってみることにしましょう。新しい経験や体験は、前頭葉を活性化する最強の老化防止です。「ワクワク」に時間とお金を投資して、楽しい思い出をたくさん作り、人生の後半戦、大いに楽しみましょう。

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