「言葉にできる」は武器になる / 梅田 悟司(2016)

・自分の考えや思いを、自分の言葉で伝えたいと思いませんか? コピーライターの梅田さんが、自分の思いを自分の言葉で伝える方法を教えてくれます。

「言葉にできる」は武器になる / 梅田 悟司(2016

1.内なる言葉と向き合おう

・言葉の伝わり方にはレベルがあります。「不理解・誤解」→「理解」→「納得」→「共感・共鳴」の順番にレベルが上がります。理解でも合格点ですが、納得や共感・共鳴のレベルを目指しましょう。

・言葉には、「内なる言葉」と「外に向かう言葉」があります。考えるという行為は、頭の中で内なる言葉を駆使する行為です。

・内なる言葉に意識を向けると、扱う言葉の量が飛躍的に増加します。なんとなく考えている状態から脱して深く考える糸口を見つけられます。

・他者に思いを伝えるなら、本気で考え、その正当性を確信しなければいけません。誰かに何かを手伝ってもらうなら、成し遂げたいことや理由を伝えなければなりません。

・自分自身の中から湧き出る「内なる言葉」と向き合う時間を確保しましょう。

2.考えを深める思考サイクル

・自分自身が、内なる言葉を発しながら考えていることを強く意識して、頭に浮かんだ言葉を書き出し、書き出された言葉を軸にしながら、幅と奥行きを持たせていきましょう。内なる言葉の解像度が上がり、外に向かう言葉に力を与えます。

・内なる言葉と向き合う時間を確保して、7つの思考サイクルで考えを深めましょう。

  • ① アウトプット:頭にあること(内なる言葉)を書き出すと、自分の頭の中を俯瞰して見れます。書き出す、拡張する、化学反応させる、を実行しよう。
  • ② T字型思考法:書き出した言葉に、「なぜ?」と自分自身に問いかけると、思考を深め、思考の源泉、価値観が分かります。「それで?」の問いかけは、思考を前へ前へと推し進めます。「本当に?」の問いかけは、より広い視野で物事を捉えるきっかけになります。
  • ③ グルーピング:②で広げた考えを整理する。横のラインと縦のラインを意識しながら、言葉を分類します。
  • ④ 視点の拡張:横のラインを意識して、考えが足りない方向性を加えていく。縦のラインを意識して、各方向性の考えを深めて行く。広げることは、物事を俯瞰して全体を見渡すこと。深めることは、物事の本質に迫るように集中すること。MECE(重複なく、漏れなく)の視点から、自分の思考を、幅広く、深く考える機会とします。
  • ⑤ 客観性の確保:十分考えた後、じっくり寝かせる時間を取ると、思考の客観性を確認できます。
  • ⑥ 逆転の発想:自分の常識や先入観から抜け出すため、真逆を考えます。否定としての真逆、意味としての真逆、人称としての真逆、をしてみましょう。
  • ⑦ 複眼思考:自分とは異なる人の立場になって考えてみましょう。自分以外の誰かの視点で考えることで、思考の多様性を確保できます。

・内なる言葉を磨いた上で、外に向かう言葉にする2つの方法を学びましょう。

  • ① 言葉の型を学ぶ

 たとえる(比喩・擬人)、繰り返す(反復)、ギャップをつくる(対句)、言い切る(断定)、感じる言葉(呼びかけ、誇張、擬態)

  • ② 言葉を生み出す心構え

 たった一人に伝える(ターゲティング)、常套句を排除する(自分の言葉を豊かにする)、一文字でも減らす(先鋭化)、きちんと書いて口にする(リズムの重要性)、動詞にこだわる(文章に躍動感を持たせる)、新しい文脈をつくる(意味の発明)、似て非なる言葉を区別する(意味の解像度を上げる)

【まとめ】

・発言や文章という「外に向かう言葉」を磨くためには、「内なる言葉」の存在を意識して、その思考の幅を広げ、深く掘り下げることが重要です。内なる言葉で思考が広がり、深まれば、外に向かう言葉の質も向上します。

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