科学がつきとめた「運のいい人」/ 中野 信子(2023)

・皆さんは、自分のことを運のいい人だと思いますか?「運がいい人」には科学的根拠があるそうです。今日からできる、運をよくするための行動や考え方を学びましょう。

科学がつきとめた「運のいい人」 / 中野 信子(2023

・人の運の良し悪しは、周囲の人といかに良好な人間関係を築けるかということに左右されます。周囲の人と良好な人間関係を築くには、自分で自分を大切にすることがスタートです。自分なりの「幸せのものさし」で、目標や夢を描きましょう。(他人がどう思うかではなく)自分が心の底から、気持ち良いと思える行動をするのです。自己一致の状態(こうあるべきと考えている理想の自分と実際の自分が一致している状態)を目指しましょう。自分を大切にするとは、自分に心を配ること。たとえば、身だしなみに気を付けたり、健康に配慮した食事に心がけたり、身の回りを整理整頓したりすることです。私たちの日々の行動には、ミスがつきものです。失敗したら、反省はするけど、落ち込みすぎないように、広い心で、自分を好きでいて下さい。

・運がいいと思っている人も悪いと思っている人も、遭遇する事象は似ていますが、事象に対する捉え方、考え方、対処の方法が変わります。うまくいかない場面に遭遇した場合、運が悪いと考えている人は、「自分の運が悪いせい」と考え、改善の機会を失います。運が良いと考える人は「自分の選択や行動に問題があったのでは?」と改善方法を考えます。長い年月を積み重ねると両者の結果は大きくな違いになるでしょう。「自分は運がいい」という思い込みと「プラスの自己イメージ」を持ちましょう。

・早寝・早起き、良質な食事、適度な運動など規則正しい生活をすると、心のバランスを整える「セロトニン」や良質な睡眠を作り出す「メラトニン」というホルモンが分泌されます。人にほめられたり、成功体験をすると、生きる意欲をもたらす「ドーパミン」が分泌されます。子供や部下や後輩など、自分より弱い存在に対して、愛情をもって接すると、愛情ホルモンの「オキシトシン」が分泌され、感情や行動が落ち着いたり、記憶と学習能力が高まります。人は、平穏無事、安全・安心な状態より、「適度なストレス」がかかった時の方が力を発揮します。適切なストレスレベルは人によって異なりますが、耐えられるストレスレベルは少しづづ上げることが可能です。

・私たち現生人類(ホモ・サピエンス)が生き延びたのは、自分だけ良ければよいと考えず、お互いを思いやり、みなで協力して生き延びようとする「社会性」を持ったためと言われています。ある時代に一人勝ちした、頂点を極めた、国や企業は必ず滅びています。自分も生き残るけれどまわりも生き残る共存共栄の道を選びましょう。どれだけ、利他行動(他人のための行動)できるかも大切です。脳内にはミラーニューロンの働きがあり、相手の喜びを自分の喜びのように感じるため、利他行動をとり、相手が喜び、感謝されると、脳は何重もの喜びを一気に感じているのです。

・セレンディピティーは、偶然の幸運をキャッチする能力という意味です。科学の世界では、セレンディピティーによる大発見が多数存在します。彼らは、明確な目的を持ち、常に忘れず、強い達成意欲を持ち取り組んでいました。自分なりの「幸せのものさし」で目標や夢を定めていれば、それに向かって具体的な努力ができます。どうすれば目標を達成できるか、そのための創意工夫やあきらめない心も生まれます。目的や夢に向かう道のりは、ストレートではなくランダムウォークモデルのように進みます。夢の実現に向けて、ゲームを降りずに粘り強く歩み続ける。これが、幸運を勝ち取る本質だと思います。まず、「自分の目標や夢」を明確にして、紙に書いてみましょう。その紙を見るたび、脳は目標や夢を達成したイメージを想像して、ドーパミンを分泌、やる気を促してくれます。

・自分のことだけでなく、自分以外の誰かの幸福を祈りましょう。自分がかなえたい願の先に、自分以外の人の幸福を考えましょう。自分のことだけを考えた祈りより、自分以外の誰かの幸福を願う祈りの方が、「良い祈り!」と脳が判断します。脳内快感物質が分泌され、心と体の健康にプラスに働くのです。人は、自分だけのためより、自分以外の誰かのための方が、頑張れるのです。

・運・不運というのは、誰の身にも公平に起きていて、その運をどう生かすかに、人は主体的にかかわっていけるのです。自分なりの幸せのものさしで、目標や夢を明確にして、その実現を目指して行きましょう。

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