部下をもったらいちばん最初に読む本 / 橋本 拓也(2025)

 マネージャーに抜擢されて悩んでいる方はいませんか?マネージャーの必修科目、リードマネージメントを学習して、メンバーの成長と組織パフォーマンスの最大化を実現しましょう。好業績と良好な人間関係を両立させることができますよ。

部下をもったらいちばん最初に読む本 / 橋本 拓也(2025

0.リードマネージメント

 リードマネージメントは、メンバーの成長(個々の目的・目標達成)を通して組織パフォーマンスの最大化を図る方法です。人は、5つの基本的欲求(生存、愛・所属、力、自由、楽しみ)を満たすと幸福を感じます。リードマネージメントは、5つの基本的欲求を理解して、メンバーが目的・目標を持ち、自ら最善の行動を選択するようサポートする活動です。

1.リーダーシップ

 リーダーシップは「未来を示す力」、マネージメントは「未来に向けたプロセスをコントロールする力」です。リーダーシップは、何のために、誰のために、この組織があり、だから、この目標に向かう、と目的から未来を示すことです。

 メンバーは、5つの基本的欲求を満たす「上質世界」をイメージしています。マネージャーの仕事は、メンバーの上質世界を理解し、そこに自分を入れてもらい、さらに仕事や会社が入るように拡張することです。そのため、マネージャーはメンバーの尊敬や信頼を得る必要があります。「尊敬」は、業務上で卓越したスキル、知識、成果、習慣があると良いでしょう。「信頼」は、時間をかけて醸成するものです。

 徳を身につける習慣(傾聴する、支援する、励ます、尊敬する、信頼する、受容する、Iメッセージを伝える、小さな約束を守る、陰で批判しない)を身につけましょう。また、思っていることと言っていることを(内言語と外言語)を一致させましょう。

2.個人の成長支援

 目標は、個々に課せられた達成すべき数値や期限です。目的は、何のため、誰のため、なぜあなたがそれをするのか、という目標を目指す動機となります。メンバーの目的を明確にするため、マネージャーから良質な情報と価値ある経験を与えましょう。目標を示し、そこを目指す日々の活動から、考え方や知識など、仕事の面で成長する重要性を伝えましょう。

 「人は変えられないけど人は変われる」内発的な動機で自ら変わることが重要です。人は、目的・目標と行動を評価してギャップを明確にするとギャップを埋めようと考えます。

フィードバックは、誰が、何を、どのように伝えるかが重要です。ギャップフィードバックは、目標にたどり着くため必要な軌道修正のアドバイスです。ポジティブフィードバックは、相手の良かったところを具体的に伝えます。

3.水質管理

 水質管理とは、組織文化(文化、風土、当たり前の基準)をコントロールすることです。人が育つ文化は、感謝、応援、チャレンジと肯定的な発言や態度から生まれます。水質管理のアプローチは、所属メンバーを強く鍛える、水槽の水を入れ替えてきれいにする、の2つがあります。

組織成立の3要素は、以下の通りです。

 共通目的:この組織は、誰のため、何のため存在するのか共有する

 協働意欲:お互いに協力して成し遂げようとする意欲

 コミュニケーション:情報共有、相互発信

 組織が大切にしたい価値感を明文化して、マネージャー自ら行動で示しましょう。

4.委任する技術

 仕事は、全体の2割で8割の成果が得られます。だから、プライオリティマネージメントが重要です。重要度と緊急度で4象限に切り分けると、第一象限に追われて第二象限がおろそかになりがちです。第一象限の業務をメンバーに委任することで時間を生み出し、第二象限に時間を振り分けましょう。第二象限の業務は、リクルーティング、マーケティング、トレーニング、マネージメント・モチベート、同行指導、などがあげられます。

5.仕組化

 好業績と良好な人間関係が両立する組織で、特定個人が入れ替わっても再現できる仕組みにすることが大切です。

(参考事例)

 朝礼(1回/日):目的・目標を明確にして個々人の思考や行動に落とし込む

 社内会議(1回/週):価値観の共有、成功事例の共有、個々人の目的・目標の明確化

 考課面談(1回/半年):半年間の振り返りとフィードバック

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