ゆるストイック / 佐藤 航陽(2025)
他人の姿勢や意見に対してゆるく構え、自分の目標には徹底的にストイックに取り組むのが、「ゆるストイック」です。現代のヒーロー達からこの思考法を学びましょう。
ゆるストイック / 佐藤 航陽(2025)
現代のヒーロー達(井上尚弥、大谷翔平、藤井聡太)には共通点があります。自分に厳しくストイックでありながら、他人に自分の価値観を押し付けない柔軟さが見て取れます。この柔軟性のあるストイックさを「ゆるストイック」と呼んでいます。自分のやるべきことを明確にし、そこに集中し、そのプロセス自体を楽しむ姿勢です。自分を律するストイックさと自分と違う考え方を許容する柔軟性を持ちましょう。
私たちが学んできた、古い価値観をリセットしましょう。
・私たちは、努力は報われる、と教わってきました。現実は、努力が報われないケースがあることを受け止めましょう。
・私たちは、物事がうまくいかない時、自尊心を守るため、外部や環境のせいにします。まわりのせいにするよりも、自分ができることを考えましょう。
・成功の対義語は失敗ではなく無挑戦です。成功の裏には膨大な失敗があることを理解し、小さな失敗を重ねて学び、柔軟に挑戦し続けましょう。
・論理的思考は、人を説得するのに役立ちますが、意思決定の正確さを保証するものではありません。常に不完全な情報のもとで不完全な判断をせざるを得ないのです。
ストア派の教えは、自分がコントロールできないことにフォーカスせず、自分の意識や行動など、今、自分ができることに集中するように教えています。願望の美学と現実の成果を整理できず成果が出ない人がいます。2つを切り分けて、現実的な道を選びましょう。
社会的な成功において、才能より運の方が大事なことが分かってきました。私たちの世界は、「才能が支配する正規分布」と「運が支配するべき乗則」の組み合わせでできています。才能やスキルは正規分布に従います。経済的な成功は、偶然のチャンスを掴んだ少数の人が大半の成果を得るべき乗則の世界です。少しの才能と運が成功の条件となります。成功は、個人の努力で勝ち取るものというより、環境が作り出す現象と捉えるほうが自然です。
ゆるストイックでは、成功に至るプロセスを、「独自性×タダ乗り」と定義します。独自性は、他に類を見ない性質(差別化要因、競争優位性、付加価値、コアコンピタンス)人を惹きつける魅力の源泉です。独自性は常識と非常識の境界線上に無限にあると言われます。独自性を生み出す過程では才能や努力の比重が高くなります。タダ乗りは、既に存在している基盤を最大限に活用することです。現代のSNS(You TubeやInstagram)を利用することで、投稿や動画がバズり予期せぬ成果の拡大が可能です。予想外の成果が生まれると、物語性が加わります。人は、論理(ロジック)より物語を好みますし。物語はブランドに成長します。
独自性を発揮するには、自分が活躍できるニッチな領域に絞り込みましょう。自分に合ったニッチを探すため、「好き」と「得意」が重なる領域を見つけましょう。まわりからほめられるが、自分にとって楽にこなせる分野です。好きと得意が見つかれば、「需要がある」分野を組み合わせれば良いのです。
才能と運が支配するこの世界で進む道は、①自分の個性(強み)を知る、②活動に没頭する、③柔軟に変化し続ける、この3軸です。
ゆるストイックは、「自力での成長」と「環境に力を借りる柔軟さ」の組み合わせです。現代は予測できないランダムな世界です。長期的な目標は見失わず、状況に応じて自分の行動や考え方を柔軟に適応させることが必要です。運のいい人は、チャンスに遭遇する確率が高い行動をする人です。人生は、何度挑戦しても構いません、試行錯誤の回数が多い人ほど運のいい人になるのです。好きなことに没頭する人、深く考えず行動する人、戦略的に試行する人、が運がいい人と言えるでしょう。完璧主義を手放し80点主義で、自己成長のサイクルを進め、次のステップにスムーズに進みましょう。状況を正しく判断し、適切な行動を選ぶために必要な、朝令暮改は積極的に実行しましょう。
他人の姿勢や意見に対してゆるく構え、自分の目標には徹底的にストイックに取り組む「ゆるストイック」。他人の意見や価値観を必要以上に気にせず、自分のやるべきことに集中して成果を出しましょう。
「今日が最後に一日かもしれない」と死を意識すると、人生において本当に大切なものは何か、自分は何を達成したいのか、という目標に意識が向きます。日々の優先順位も変わるでしょう。「もし、何の制約もなかったら自分は何をするだろう」このような自問自答で、日々のQOLを高めていきましょう。
